総務省統計局「社会・人口統計体系」の指標 I9102「悪性新生物による死亡者数」を A1101「総人口」で除し10万倍した粗死亡率データから、対象期間1975年〜2023年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は人口10万対(小数点以下2桁)。年齢構成の違いがあるため単純比較には注意が必要です。集計値(全国)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位47件です。
このランキングについて
この指標について。 「都道府県別がん死亡率(人口10万対)の推移」は 総務省統計局 (e-Stat) が公開するデータ(e-Stat 統計表 ID 0000010109)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 人/10万人 です。
このチャートの見どころ。 編集部として最初に断っておきたいのは、これは「がんリスクの県別比較」ではないということだ。再生すると高齢化の進んだ秋田・青森が上位へ動くが、その動きこそ、人口構造が粗死亡率を押し上げる構図の可視化になっている。
注意点。 本ランキングは人口10万人当たりの粗死亡率で、年齢調整は行っていません。高齢者の多い県ほど高く出るため、県別のがんリスク比較には年齢調整死亡率(国立がん研究センター公表)を参照してください。死因分類(ICD)の改訂前後で系列に段差が生じる年があります。
データから読み取れる傾向
がん死亡率 (粗死亡率) は人口の高齢化度合いに強く影響される指標で、上位は高齢化率の高い県が固定的に占める。秋田・青森・島根・高知・山形・岩手などが長期にわたり上位に並ぶ。これは「がん発症リスクが高い県」というよりは、単に高齢者比率が高いため絶対値の死亡率が高く出る構造が大きい。年齢調整死亡率 (各県の人口構成を標準化) では順位がかなり変わり、青森県の高さは喫煙率・食塩摂取量など生活習慣要因が指摘される。
下位は沖縄・滋賀・東京・神奈川・愛知などの都市圏や、若年人口比率の高い県。長期トレンドとしては全 47 都道府県で年次の絶対値は上昇基調にある。これも高齢化の進行を反映するもので、年齢調整後では多くのがん種で 1990 年代以降の死亡率は改善 (早期診断と治療の進歩) している。本指標を「県別のがんリスク」として直接比較するのは誤読を招くため、人口構造との組み合わせで読むことが推奨される。
47都道府県の平均は1975年の133.34から2023年の330.26へ2.48倍になった。ピークは2022年の332.09で、2023年はわずかに下回っている。1975年より2023年が低い県はひとつもない。ただしこの上昇のほとんどは高齢化の効果であり、がんそのものが増えたことを意味しない。年齢構成をそろえた年齢調整死亡率では、1990年代以降むしろ低下しているとされる。粗死亡率は「その県で何人が亡くなったか」であって「危険度」ではない。
上げ幅を見ると、その構図がはっきりする。最大は青森の+309.14(117.80→426.94、3.62倍)で、北海道+281.12(3.38倍)、秋田+280.39、岩手+266.10(3.23倍)。順位も青森が39位から2位、北海道が38位から3位、岩手が37位から5位へ跳ね上がった。同じ期間に高齢化率で青森が20位から3位、北海道が27位から18位へ上がったことと、動きがきれいに重なる。
逆に上げ幅が小さいのは滋賀の+125.49(1.92倍)、東京+137.60、沖縄+151.98、長野+159.28である。滋賀は27位から45位、長野は15位から38位、香川は5位から23位、佐賀にいたっては1位から19位へ下げた。1975年の首位が佐賀(163.19)で2023年の首位が秋田(435.12)という交代は、がんの地域差が変わったというより、高齢化の地域差がこの半世紀で組み替わったことの反映と読むほうが正確だろう。
最上位と最下位の差は83.29から203.24へ2.4倍に広がった。ただし全国の水準が2.5倍になっているため、比で見れば2.04倍から1.88倍へむしろ縮んでいる。絶対差と比率で結論が逆になるのは、この種の指標ではよくあることだ。地域ごとのリスクを比べたい場合は、必ず年齢調整死亡率に切り替えて見てほしい。
雑学クイズ
1981年以降、日本人の死因の第1位を占め続けている病気は?
悪性新生物(がん)。それ以前は脳血管疾患などが上位だった。(出典)
高齢化の影響を取り除いて地域や年次を比較するために使われる死亡率を何という?
年齢調整死亡率。高齢者の多い地域ほど見かけの死亡率(粗死亡率)は高く出るため、基準人口で補正して比較する。(出典)
がんの「早期発見・早期治療」のために自治体などが行う取り組みは?
がん検診。死亡率を下げる有効な手段の一つとされ、対象や受診間隔が定められている。(出典)
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- 都道府県別高齢化率の推移 — がん死亡率と密接に連動する人口構造。
- 都道府県別女性平均寿命の推移 — 寿命と主要死因の関係。
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出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」(statsDataId: 0000010109 I9102 + 0000010101 A1101 で算出), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。