国別航空旅客数の推移(1970年〜2023年)

世界銀行 (World Bank) が公開する航空輸送旅客数データから、対象期間1970年〜2023年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は百万人(小数点以下2桁)。旅客数は各国に登録された航空会社が輸送した人数(国内線+国際線)で、空港の利用者数ではありません。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別航空旅客数の推移(1970年〜)

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Source: World Bank — Air transport, passengers carried (IS.AIR.PSGR) · CC BY 4.0 · accessed 2026-06-11

このランキングについて

この指標について。 「国別航空旅客数の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード IS.AIR.PSGR、原典 ICAO)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 百万人 です。

このチャートの見どころ。 編集部のおすすめは2020年だ。パンデミックで全バーが一斉に6割縮む異様な1年と、その後の国内線大国(米・中・印)の先行回復は、このレース随一のドラマと言える。ライアンエア効果でアイルランドが3位に浮上する不思議も見逃せない。

注意点。 この統計は「その国に登録された航空会社が運んだ旅客数」であり、空港の利用者数や訪問者数ではありません。たとえばアイルランドが上位に入るのは、欧州最大級の LCC ライアンエアの登録国であるためです。自国に巨大キャリアを持つ国が大きく出る点に注意してください。

データから読み取れる傾向

首位は一貫して米国で、最新年は約 9.4 億人。国土が広く国内線需要が桁違いに大きいことが理由だ。最大の変化は中国の急上昇で、2000 年代から経済成長とともに伸び続け、約 6.2 億人で 2 位に定着した。3 位にアイルランド(約 1.9 億人)が入るのはこの統計ならではの現象で、ライアンエアが欧州中で運んだ旅客がすべてアイルランドに計上されるため。同様に低コスト航空の成長は、トルコ(ターキッシュ エアラインズ+ペガサス)やインド(インディゴ)の近年の急伸にも表れている。

このレースのもう一つの見どころは 2020 年だ。新型コロナのパンデミックで世界の航空旅客は前年比でおよそ 6 割減り、米国は 9.3 億人(2019 年)から約 3.7 億人へ急落。すべてのバーが一斉に縮む異様な 1 年が記録されている。回復局面では国内線市場の大きい米国・中国・インドが先行し、国際線依存の国は戻りが遅れた。日本は約 1.2 億人規模で上位グループに位置するが、LCC 比率の高い新興キャリア勢の伸びと比べると成熟市場らしい横ばい基調が続いている。

2020年の落ち込みは、この30か国のどの指標よりも急である。合計は2019年の3,870百万人から2020年の1,590百万人へ、59%減った。米国は926.74百万人から369.50百万人へ60%減、日本は130.23から51.13百万人へ61%減。1年で世界の航空旅客が6割消えるという事態は、1970年からの54年間でこの年だけだ。回復は速く、米国は2023年に941.56百万人と2019年を上回っている。

54年間の伸びで突出しているのはアイルランドだ。1970年の1.48百万人から2023年の192.53百万人へ130.09倍、順位は17位から3位である。人口500万人あまりの国が米国・中国に次ぐ3位にいるのは、この統計が「その国に登録された航空会社が運んだ旅客数」を数えているためで、欧州全域で運航する格安航空会社の登録国であることがそのまま出ている。空港の利用者数でも訪問者数でもない点は繰り返し確認しておきたい。

同じ理由で、トルコは1.04百万人から125.94百万人へ121.10倍になり19位から5位、インドは2.67から180.42へ67.57倍で14位から4位、インドネシアは20位から9位へ上がった。自国に大手航空会社を育てた国が上位に来る構造である。逆に下げたのはスイス(9位→30位)・コロンビア(11位→26位)・オランダ(13位→28位)・フランス(5位→18位)・フィリピン(15位→27位)・オーストラリア(6位→17位)だった。

首位は54年間ずっと米国である。1970年の163.45百万人から2023年の941.56百万人へ5.76倍。ただし2位との差は縮んだ。1970年の2位は日本の16.32百万人で米国の10分の1だったが、2023年の2位は中国の619.22百万人で米国の66%にあたる。日本は2023年に120.31百万人で、2019年の130.23百万人にはまだ届いていない。成熟市場の横ばいと新興市場の急伸が、同じ表のなかで並んでいる。

雑学クイズ

国際民間航空のルールを定める国連専門機関は?

ICAO(国際民間航空機関)。1944年のシカゴ条約に基づき設立され、本部はカナダのモントリオールにある。(出典

機内サービスの簡素化や単一機材運用などで運賃を下げた航空会社を何と呼ぶ?

LCC(ローコストキャリア/格安航空会社)。米サウスウエスト航空が原型とされ、欧州のライアンエアやアジアのエアアジアが代表例。(出典

長年「世界一忙しい空港」として旅客数1位を続けているのはどこの空港?

米ジョージア州のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港。デルタ航空の巨大ハブで、おおむね1998年以降ほぼ毎年世界一を維持している。(出典

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出典: World Bank「Air transport, passengers carried」(IS.AIR.PSGR, 原典 ICAO), CC BY 4.0。