国別外貨準備高の推移(1960年〜2024年)

世界銀行 (World Bank) が公開する総準備高(金を含む)データから、対象期間1960年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は十億ドル(小数点以下2桁)。外貨・金・SDR・IMFリザーブポジションの合計です。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別外貨準備高の推移(1960年〜)

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Source: World Bank — Total reserves, includes gold, current US$ (FI.RES.TOTL.CD) · CC BY 4.0 · accessed 2026-06-11

このランキングについて

この指標について。 「国別外貨準備高の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード FI.RES.TOTL.CD、原典 IMF)を本ランキングが整形したものです。中央銀行・政府が保有する外貨・金・SDR などの合計で、値の単位は 十億ドル です。

このチャートの見どころ。 編集部のおすすめは2006年の日中交代劇だ。1997年のアジア通貨危機を境に新興国が「保険」として準備を積み始め、中国が4兆ドル近くまで駆け上がる——一つの危機がレース全体のルールを変えた珍しい例と言える。

注意点。 金を市場価格で評価した名目米ドル建ての値のため、金価格や為替レートの変動が準備高の増減として表れます。インフレ調整はされていないので、年代をまたぐ絶対額の比較は割り引いて読む必要があります。

データから読み取れる傾向

このレースの主筋は「日本の時代」から「中国の時代」への交代劇だ。日本は貿易黒字と為替介入の蓄積で 1990 年代から 2000 年代半ばまで世界一の外貨準備国だったが、2006 年に中国が追い抜いた。中国はその後も輸出で稼いだドルを積み上げ、ピークの 2014 年には約 4 兆ドルへ到達。最新年も約 3.5 兆ドルと、2 位日本(約 1.2 兆ドル)の 3 倍近い独走を続けている。

背景として重要なのが 1997 年のアジア通貨危機だ。外貨不足で通貨防衛に失敗した経験から、アジア新興国は「保険」として外貨準備を厚く積む路線へ転換し、2000 年代の世界的な準備高急増につながった。個別の動きでは、スイスが 2010 年代のフラン高阻止介入で準備高を約 9,000 億ドルまで膨らませて米国と 3 位を争い、インドも 6,000 億ドル台へ着実に増加。金準備の比率が高い米国・ドイツは、金価格の上昇局面でバーが伸びるという独特の動き方をする。

中国が日本を抜いたのは2006年である。この年、中国は1,080.76十億ドル、日本は895.32十億ドルだった。1980年の中国はまだ10.09十億ドルで、日本の何分の一という規模にすぎない。そこから2000年171.76、2005年831.41、2010年2,913.71と積み上げ、2014年に3,900.04十億ドルでピークに達した。2024年は3,456.02十億ドルで、実はピークから10年間ほぼ横ばい、というより微減が続いている。

30か国の合計も桁が変わった。1960年の47十億ドルから1980年713、2000年1,719、2010年8,673、2024年は12,833十億ドル。64年で273倍である。倍率で最も伸びたのはインドの959.76倍(0.67→643.04)で、リビア1,161.13倍、フィリピン816.92倍と、出発点が極端に小さかった国が名目上は巨大な倍率になる。日本も631.11倍(1.95→1,230.67)、スイスは385.33倍だ。

ここで最大の注意点は、この数字が名目の米ドル建てだということである。インフレ調整も為替調整もされていない。1960年の1ドルと2024年の1ドルはまったく別物なので、64年で273倍という数字の相当部分は物価と通貨価値の変化で説明がつく。加えて金は市場価格で評価されるため、金価格が上がった年には保有量が変わらなくても準備高が増える。金の比率が高い米国やドイツの線が独特の動き方をするのはそのためだ。

順位の入れ替わりも大きい。1960年に3位だったイギリスは2024年に19位、7位のカナダは23位、10位のスペインは26位、11位のマレーシアは24位へ下げた。逆に上げたのはシンガポール(23位→9位)・サウジアラビア(20位→7位)・韓国(21位→8位)・日本(8位→2位)・インド(9位→5位)である。1997年のアジア通貨危機のあと、外貨準備を厚く積む路線へ転じた国が上位に集まっている構図が読み取れる。なお2024年は香港の値がなく、29か国での順位である点にも注意したい。

雑学クイズ

外貨準備は主に何のために保有される?

輸入代金や対外債務の支払い、急激な為替変動に対する為替介入の原資として。通貨危機への「保険」の役割を持つ。(出典

1997年にタイバーツの暴落から始まり、アジア各国が外貨準備を積み増す転機となった出来事は?

アジア通貨危機。タイ・インドネシア・韓国などが深刻な打撃を受け、韓国はIMFの支援を受けた。(出典

IMFが加盟国に配分する「特別引出権」と呼ばれる準備資産の略称は?

SDR。ドル・ユーロ・人民元・円・ポンドの通貨バスケットで価値が決まり、外貨準備の構成要素の一つになっている。(出典

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出典: World Bank「Total reserves (includes gold, current US$)」(FI.RES.TOTL.CD, 原典 IMF), CC BY 4.0。