国別殺人発生率の推移(1990年〜2023年)

国連薬物犯罪事務所(UNODC)による「殺人発生率(人口10万人あたり)」データを、Our World in Data経由で対象期間1990年〜2023年・上位30か国分の年次推移として収録しています。治安状況の国際比較に用いられる代表的指標で、地域差・歴史的変動が大きい指標です。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別殺人発生率の推移(1990年〜)

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Source: UNODC via Our World in Data — Intentional homicide rate · CC BY 4.0 · accessed 2026-06-11

このランキングについて

この指標について。 「国別殺人発生率の推移」は Our World in Data(多くは World Bank・国連等の公的統計を再公開した二次データ) が公開するデータ(OWID Grapher slug “homicide-rate-unodc”)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 人口10万人あたり です。

このチャートの見どころ。 編集部のおすすめはコロンビアの軌跡だ。1990年の75.00から2023年の24.91へ3分の1になる——このランキングでも屈指の劇的な変化で、同じ期間に5.37倍になったエクアドルとの対照も見えてくる。

注意点。 殺人の定義や届出率は国によって異なり、紛争地や統計体制の弱い国では実態より低く出ることがあります。人口の小さい国では数件の増減で率が大きく動くため、単年の順位変動は慎重に読んでください。

データから読み取れる傾向

殺人発生率の上位は中南米・カリブ海の国々 (ジャマイカ・ハイチ・セントルシア・ホンジュラス・トリニダード・トバゴなど) で、人口 10 万人当たり 30〜50 件と世界平均 (約 5.5) の 5〜10 倍。麻薬カルテルの抗争、政治的不安定、経済格差の複合要因が背景にある。なお本ランキングは最新年の値が大きい順に上位30か国を選ぶ設計のため、日本や韓国のように殺人率が世界最低水準の国は収録対象に入っていない。

長期トレンドとして、コロンビアのように 2000 年代以降に大幅な改善 (殺人率半減以上) を見せている国もあり、警察改革と経済成長が背景にある。コロンビアは2002年の70.40から2023年の24.91まで下がり続けており、本ランキングの年次変化で明確に見える。一方、ジャマイカは1990年の22.86から2023年の49.30へ2.16倍に悪化した。欧州・北米の先進国は概ね 1〜5 件で安定しており、本指標は治安と社会の安定度を測る最も使われる国際比較指標の一つ。

コロンビアの下がり方は、この表で最も大きな変化である。1990年の75.00から1995年62.34、2002年70.40、2005年42.99、2010年34.52、2015年27.22、2020年22.64、そして2023年は24.91。ピークから3分の1になった。1990年には2位のレソト(28.68)に2.6倍の差をつけて突出していた国が、2023年には6位である。33年かけて一貫して下げ続けた国が、この上位30か国のなかにも存在するという事実は記録しておきたい。

逆に上げた国もはっきりしている。エクアドルは1990年の8.52から2023年の45.72へ5.37倍になり、14位から2位へ。1990年には30か国中で最も低い部類だった国が、いまは2番目に高い。セントルシアは10.16から39.04へ3.84倍で11位から4位、ホンジュラスは9.95から31.44へ3.16倍で12位から5位、ジャマイカは22.86から49.30へ2.16倍で首位に立った。同じ「治安の悪い国」というくくりのなかでも、向かっている方向は正反対である。

30か国の平均は1990年の17.34から2010年の30.37でピークを打ち、2023年は27.23。1990年代から2000年代にかけて悪化し、2010年代以降はゆるやかに改善している。最上位と最下位の差は75.00から35.63へ縮んだが、これは最上位が下がったことによる縮小で、下位が上がったわけではない。2023年の最下位でもグレナダの13.67で、世界平均のおよそ2.5倍にあたる。

この系列でいちばん注意したいのは、年ごとに値のある国数が大きく違うことだ。1990年は16か国、2000年に23か国、2007年に26か国とそろってきたのに、2023年はわずか14か国しかない。最新年の「順位」は、報告が届いた14か国のあいだの順位にすぎない。殺人統計は国によって定義も届出率も違ううえ、報告の遅れも大きい。単年の順位変動を追うより、同じ国の線が長期にどちらへ向かっているかを見るほうが、この指標では確実である。

雑学クイズ

殺人発生率は通常どんな単位で国際比較される?

人口10万人当たりの件数。人口規模の違う国を公平に比べるための標準的な指標。(出典

各国の殺人など犯罪統計を国際的に集計している国連の専門機関は?

UNODC(国連薬物・犯罪事務所)。世界の故意殺人統計の主要な集計元になっている。(出典

中南米諸国で殺人発生率が高い背景として、よく挙げられる要因は?

麻薬カルテルの抗争、政治的不安定、深刻な経済格差など。地域全体で世界平均を大きく上回る傾向がある。(出典

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出典: UNODC via Our World in Data「Intentional homicide rate per 100,000 population」, CC BY 4.0。