総務省統計局「社会・人口統計体系」の指標 I9105「心疾患による死亡者数」を A1101「総人口」で除し10万倍した粗死亡率データから、対象期間1975年〜2023年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は人口10万対(小数点以下2桁)。年齢構成の違いがあるため単純比較には注意が必要です。集計値(全国)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位47件です。
このランキングについて
本ランキングは、心疾患(高血圧性を除く)による死亡者数を総人口で割った粗死亡率(人口10万対)を都道府県別に収録したものです。年齢調整をしていない粗率のため、高齢化が進んだ県ほど高く出るバイアスがあります。
データから読み取れる傾向
最新年の上位は山口(280.05)・和歌山・愛媛・岩手・高知、下位は愛知(125.91)・沖縄・福岡。上位はいずれも高齢化率の高い県、下位は働き盛り人口の多い県で、この指標が年齢構成の鏡であることがよく分かる。
注目すべきは長期推移の向きだ。1975年の最上位は徳島の140.96 — 現在の最下位の愛知(125.91)とほぼ同水準で、半世紀で全県の粗死亡率が大きく上昇した。脳卒中の死亡率が同じ期間に半分以下へ下がったのと正反対の動きだが、これは心疾患の医療が後退したからではなく、人口の高齢化で死亡そのものが高齢層に集中していくためだ。年齢調整死亡率で見れば心疾患もまた低下傾向にあるとされる。編集部としては、脳卒中の率のページと並べて再生し、「下がるチャート」と「上がるチャート」の違いがどこから来るのかを考えながら見てほしい。
47都道府県の平均を年ごとに追うと、途中に大きな谷がある。1975年の100.15から上がり続けて1993年に158.72でいったん頂点に達したあと、1994年139.48、1995年120.12と2年で38.60も下がっている。1996年は119.52で底を打ち、そこから再び上昇に転じて2023年は208.19。半世紀で2.08倍になった折れ線の途中に、明らかに異質な断層が刻まれている。
この谷が病気の実態ではないことは、同じサイトの別のページと突き合わせるとわかる。脳血管疾患の死亡数は1994年から1995年にかけて24%増えており、心疾患が減った年に脳卒中が増えるという、ちょうど逆向きの動きが同時に起きている。片方が減って片方が増えるという対称性は、患者が急に減ったり増えたりしたのではなく、死因の振り分けが変わったことを強く示唆する。1995年は日本の人口動態統計が死因分類をICD-10へ切り替え、死亡診断書の様式も改められた時期にあたる。
したがってこのチャートは、1993年以前と1996年以降を別の系列として読むのが安全だ。そのうえで長期の方向を見ると、1975年と2023年を比べて粗死亡率が下がった県はひとつもない。上げ幅が最大なのは山口の+174.73(105.32→280.05)で、17位から1位へ。青森+167.49(38位→7位)、愛媛+163.57、岩手+162.56(29位→4位)、山形(28位→6位)、秋田(31位→11位)と、北日本と中国・四国が上位へ移動している。
逆に上げ幅が小さいのは滋賀の+46.24(10位→42位)、愛知+50.28、福岡+50.63、佐賀+68.74(8位→37位)である。滋賀と佐賀はどちらも1975年には上位10県に入っていたのに、いまは40位前後まで下げた。粗死亡率の順位が動くのは病気の地域差というより年齢構成の変化を映しているためで、上げ幅の小さい県はおおむね若年層の流入があった県と重なる。最上位と最下位の差も82.69から154.14へ広がっており、人口構造の地域差が拡大したことがここにも表れている。
雑学クイズ
心疾患の死亡で最も大きな割合を占める「虚血性心疾患」とは?
心筋梗塞や狭心症など、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が狭くなったり詰まったりして起こる病気の総称。(出典)
駅や公共施設に設置されている「AED」とは何の装置?
自動体外式除細動器。心停止時に電気ショックで心臓のリズムを戻す装置で、日本では2004年から一般市民も使用できるようになった。(出典)
日本人の死因順位で、心疾患は何位を長く占めている?
第2位。1位の悪性新生物(がん)に次ぐ位置を1985年以降ほぼ一貫して保っている。(出典)
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- 都道府県別心疾患死亡数の推移 — 率ではなく絶対数で見る。
- 都道府県別脳血管疾患死亡率の推移 — 対照的に「下がり続けた」死因。
- 都道府県別高齢化率の推移 — 粗死亡率を押し上げる人口構造。
出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」(statsDataId: 0000010109 I9105 + 0000010101 A1101 で算出), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。