国別石炭生産量の推移(1900年〜2024年)

Our World in Dataが公開する「国別石炭生産量(一次エネルギー換算)」データから、対象期間1900年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。中国が現在世界の石炭生産の半分以上を占め、米国の長期減少とインド・インドネシア・オーストラリアの伸びが対照的です。値はTWh単位。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別石炭生産量の推移(1900年〜)

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Source: Our World in Data — Coal production by country · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-11

このランキングについて

本ランキングは、国別の石炭生産量(一次エネルギー換算・TWh)を1900年から年次で収録したものです。収録対象は最新年の生産量上位30か国のため、19世紀〜20世紀前半の主要産炭国(英国など)でも、現在の生産量が小さい国はチャートに登場しません。

データから読み取れる傾向

最新年は中国(約2.6万TWh)が突出した首位で、2位インドの5倍超という規模だ。インドネシア・オーストラリア・米国が続くが、中国1国で上位30か国合計のかなりの部分を占める「一極集中」が現在の石炭の姿といえる。1900年時点の首位は米国で、ドイツ・ポーランドなど欧州勢が上位を占めていた — 石炭の重心が1世紀かけて大西洋からアジアへ移動したことが、チャートの色の入れ替わりとして見える。

中国の急上昇が始まるのは1980年代の改革開放以降で、2000年代の高度成長期に傾きが一段と急になる。一方、米国・ドイツは2000年代以降の減少基調が明確だ(天然ガス・再エネへの転換)。編集部で年次を送りながら確認したとき最も印象的だったのは、西側諸国のバーが縮む速度より中国のバーが伸びる速度のほうがはるかに速く、世界合計では石炭がまだ「過去の燃料」になっていないことだった。

この表を見るうえで最初に知っておきたいのは、イギリスが入っていないことだ。1900年前後の世界最大級の石炭産出国が30か国のリストにいない。この系列は最新年の生産量が多い順に30か国を選ぶ設計のため、いま採掘をほぼやめた国は、過去にどれだけ産出していても表に現れない。1900年の首位が米国(1,829TWh)になっているのは、当時の世界一という意味ではなく「2024年の上位30か国のなかで最も多かった国」という意味である。

2024年の中国は26,245TWhで、値のある26か国の合計49,820TWhの52.7%を1国で占める。1900年の中国は0、1941年でも322TWhで4位だった。順位は13位から1位である。インドは40から5,015TWhへ125倍、インドネシアは2から4,714TWhへ2,357倍、オーストラリアは43から3,283TWhへ76倍。125年の系列のなかで、生産の中心が北大西洋からアジア太平洋へ丸ごと移動したことが読み取れる。

ピークを過ぎた国も並んでいる。米国は1998年の6,695TWhが最大で、2024年の2,948TWhはその44%。ドイツは1964年の2,014TWhから229TWhへ、ピークの11%まで落ちた。1900年(647TWh)と比べても3分の1近くまで減っており、この表で1900年より2024年のほうが少ない国はドイツだけである。ポーランドも1987年の1,476TWhから386TWhへ下げ、順位は3位から11位になった。

収録国数の変動にも注意したい。1900年から1980年代までは23か国、2000年に30か国、そして2020年以降は26か国である。2024年に値がないのは北朝鮮・フィリピン・モザンビーク・ボスニア・ヘルツェゴビナの4か国で、生産をやめたのではなく報告が届いていないだけの可能性が高い。折れ線が右端で途切れている国を「ゼロになった」と読まないよう気をつけたい。

雑学クイズ

18〜19世紀の産業革命を支えた主要エネルギー源は?

石炭。蒸気機関の燃料として工場・鉄道・船舶を動かし、世界初の工業化を支えた。(出典

製鉄に使われる「コークス」とは何?

石炭を蒸し焼き(乾留)にして作る炭素燃料。高炉で鉄鉱石を還元するために使われ、現在も石炭需要の大きな柱のひとつ。(出典

かつて日本最大級の産炭地だった九州北部の炭田は?

筑豊炭田。明治期から高度成長期初期まで日本のエネルギーを支えたが、エネルギー革命(石炭から石油への転換)で1970年代までに閉山が相次いだ。(出典

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出典: Our World in Data「Coal production by country」, CC BY 4.0。