国別軍事支出(GDP比)の推移(1960年〜2024年)

世界銀行とSIPRI(ストックホルム国際平和研究所)が公開する「軍事支出の対GDP比」データから、対象期間1960年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。冷戦終結や地域紛争の影響が反映されます。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別軍事支出(GDP比)の推移(1960年〜)

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Source: World Bank / SIPRI — Military expenditure (% of GDP) (MS.MIL.XPND.GD.ZS) · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-11

このランキングについて

この指標について。 「国別軍事支出(GDP比)の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード MS.MIL.XPND.GD.ZS)を本ランキングが整形したものです。値の単位は % です。

このチャートの見どころ。 編集部のおすすめは2014年と2022年を境にした欧州勢の動きだ。クリミア併合とウクライナ侵攻のたびにポーランドやバルト三国のバーが伸び始める——地政学の転機がほぼリアルタイムで予算の数字になる指標だと分かる。

注意点。 対GDP比は分母の経済規模に左右されるため、GDPが急減した年には軍事費が増えていなくても比率が跳ね上がることがあります。徴兵制の人件費や準軍事組織の扱いなど、計上範囲が国により異なる点にも留意してください。

データから読み取れる傾向

軍事支出の対 GDP 比は地政学情勢を直接反映する。2024年の上位はウクライナ・イスラエル・アルジェリア・サウジアラビア・ロシアで、オマーン・カタール・アラブ首長国連邦が続く。サウジアラビア・オマーンなど湾岸産油国は対 GDP 比 6〜8% と突出した水準で、イラン・イエメンとの地域対立が背景にある。ロシアは 2014 年のクリミア併合以降に上昇、2022 年のウクライナ侵攻でさらに急上昇し、本ランキングの年次推移で明確に見える。

注目すべきは NATO 諸国の動きで、2014 年のクリミア併合と 2022 年のウクライナ侵攻を受けて欧州各国 (ポーランド・エストニア・リトアニアなど) が対 GDP 比 2% の NATO 目標を意識して急上昇している。なお本ランキングは最新年の値が大きい順に上位30か国を選ぶ設計のため、対GDP比が3%前後に届かない国は収録されない。日本や中国がこの表に現れないのはそのためで、軍事費の絶対額が小さいことを意味するわけではない。

ウクライナの線は、この65年の系列でも突出している。2021年は3.43%で、収録国のなかでは平凡な水準だった。それが2022年に25.64%、2023年36.53%、2024年34.48%。3年前の10倍である。分子である軍事費が増えただけでなく、分母のGDPが戦争で縮んだことも比率を押し上げている。対GDP比という指標は、こうした局面では変化を二重に増幅して見せることを覚えておきたい。

ロシアの動きは対照的に緩やかだ。2021年の3.58%から2022年4.61%、2023年5.40%、2024年7.05%へ上がっているが、倍率でいえば2倍に届かない。同じ戦争の当事国でも、経済規模に対する負担の重さがまるで違う。1992年の4.43%と比べても、2024年の7.05%は1.6倍にとどまる。数字の上では、侵攻した側より侵攻された側のほうがはるかに大きな比率を負っている。

30か国の平均は1960年の6.03%から1991年に12.79%まで跳ね上がり、2006年の3.17%で底を打ってから2024年は6.03%まで戻した。1991年の突出は湾岸戦争の年にあたり、当時値のある国が18か国しかなかったことも影響している。母数の小さい年に極端な値が1つ入ると平均が大きく動く点は、この系列全体に共通する注意点だ。値のある国は1960年に10か国、2000年に29か国、2024年は24か国である。

長期で最も下げたのはヨルダンで、1960年の20.40%から2024年の4.80%へ0.24倍、順位も1位から11位になった。米国も8.99%から3.42%へ0.38倍で3位から18位。冷戦期に高かった国が下げ、地域紛争を抱える国が上げるという入れ替わりが起きている。上げたのはアルジェリア(1.61%→7.97%、8位→3位)とブルキナファソ(0.68%→4.68%、6.88倍)で、最上位と最下位の差は19.72ポイントから31.50ポイントへ広がった。

雑学クイズ

軍事支出の国際比較で「対GDP比」がよく使われるのはなぜ?

経済規模の異なる国を同じ尺度で比べ、経済に占める軍事負担の重さを見るため。絶対額とは順位が変わる。(出典

世界の軍事費に関する代表的なデータを公表しているスウェーデンの研究所は?

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)。各国の軍事支出統計の主要な情報源とされる。(出典

NATO加盟国が国防費の目安として掲げている「対GDP比」の数値は?

2%。2014年の首脳会議で確認された目標で、多くの加盟国が達成を求められてきた。(出典

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出典: World Bank / SIPRI「Military expenditure (% of GDP)」(MS.MIL.XPND.GD.ZS), CC BY 4.0。