総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ・基礎データ A 人口・世帯)」の指標 A4200「死亡数」を A1101「総人口」で除して千倍した粗死亡率データから、対象期間1975年〜2023年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は人口千対(‰, 小数点以下2桁)。年齢構成の違いにより都道府県間の単純比較には注意が必要です。集計値(全国)は除外しています。
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このランキングについて
本ランキングは、都道府県別の粗死亡率(人口千対・‰)を1975年から年次で収録したものです。死亡数を総人口で割った値で、年齢調整をしていないため、高齢化が進んだ県ほど高く出ます。
データから読み取れる傾向
最新年の上位は秋田(19.17‰)・青森・高知・岩手・山形、下位は東京(9.74‰)・沖縄・滋賀。そして1975年の最上位は高知の9.66‰ — 現在の最下位の東京とほぼ同じ値だ。つまりこの半世紀で、全国の粗死亡率は「かつての最上位」が「いまの最下位」になるほど全体に上昇した。
直感に反するが、これは健康状態の悪化ではない。平均寿命は同じ期間に延び続けており、死亡率の上昇はほぼ純粋に高齢化の効果だ。生まれる人が減り、人口の重心が高齢側へ移れば、人口千人当たりの死亡は機械的に増える。編集部としては、これは本サイトでも有数の「数字の意味を考えさせる」チャートだと考えている。出生数のランキングと並べると、日本が自然減の時代に入っていく過程が両側から見える。
47都道府県の平均を年ごとに追うと、上昇がいつ始まったかがはっきりする。1975年の7.08‰から下がって1979年に6.63‰で底を打ち、そこから反転して1990年7.30‰、2000年8.26‰、2010年に10.31‰でついに10‰を超え、2023年は14.10‰。1970年代後半までは粗死亡率がまだ下がっていたという事実は、半世紀の折れ線を眺めるだけでは見落としやすい。上昇局面はこの45年ほどの現象である。
1975年と2023年を比べて粗死亡率が下がった県はひとつもない。上げ幅が最大なのは秋田の+11.78ポイント(7.39‰→19.17‰)で、24位から1位へ。青森は+11.10(34位→2位)、岩手+9.68(27位→4位)、北海道+8.94(40位→19位)と続く。1975年には中位から下位にいた北日本が、いま上位を占めているという入れ替わりが、この指標の骨格をなしている。
上げ幅が小さいのは滋賀の+3.22(23位→45位)、沖縄+4.85(下から3番目)、東京+5.00、愛知+5.54である。ただし最も低い東京でさえ4.74‰から9.74‰へ2.05倍になっており、1975年に最も高かった高知の9.66‰を上回っている。全国どこも例外なく上がったうえで、上がり方の速さだけが違ったというのが、この半世紀の実像だ。
見落としやすいのは、地域差がむしろ広がっている点である。最上位と最下位の差は1975年の5.39ポイントから2023年の9.43ポイントへ、ほぼ2倍に開いた。粗死亡率の差は健康状態の差ではなく年齢構成の差なので、これは県ごとの人口構造のばらつきが大きくなったことを意味する。若い世代が都市部へ移り、地方に高齢層が残るという40年来の人の流れが、死亡率という別の指標に形を変えて現れている。この指標を国際比較に使うのも避けたほうがよい。粗死亡率は年齢構成をそのまま映すため、人口の若い国は健康状態にかかわらず低く出る。日本の粗死亡率が世界的に高い部類に入るのは、日本人が不健康だからではなく、世界で最も高齢化が進んだ国だからである。都道府県間の比較にも、まったく同じ注意が当てはまる。
雑学クイズ
高齢化の影響を取り除いて死亡率を比べる指標は何と呼ばれる?
年齢調整死亡率。共通の基準人口に当てはめて計算する。日本では2020年から基準が「平成27年(2015年)モデル人口」に更新された。(出典)
日本で死亡数が出生数を初めて上回った(自然減になった)のはいつ?
2005年。戦後初の自然減で、以降は2007年から減少が定着した。(出典)
年間死亡数が非常に多くなる社会を指す言葉は?
多死社会。日本の年間死亡数は2040年前後にピークを迎えると推計されており、医療・葬送・相続などの社会基盤への影響が議論されている。(出典)
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- 都道府県別高齢化率の推移 — 粗死亡率を押し上げる人口構造。
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出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」都道府県データ A 人口・世帯(statsDataId: 0000010101, A4200÷A1101×1000 で算出), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。