都道府県別博物館数の推移(1975年〜2021年)

総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ・基礎データ G 文化・スポーツ)」の指標 G1501「博物館数」から、対象期間1975年〜2021年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は施設数(整数)。集計値(全国)は除外しています。

都道府県別博物館数の推移(1975年〜)

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Source: 総務省統計局 — 社会・人口統計体系 都道府県データ 基礎データ G 文化・スポーツ (statsDataId: 0000010107, G1501 博物館数) · Government of Japan Standard Terms of Use 2.0 (CC BY 4.0-compatible) · accessed 2026-05-07

このランキングについて

本ランキングは、都道府県別の博物館数(館・登録博物館等)を1975年から年次で収録したものです。美術館・歴史博物館・科学館などを含む施設の実数です。

データから読み取れる傾向

首位は東京(113館)だが、このランキングの主役は2位の長野(83館)だろう。人口では全国16位前後の県が、神奈川や大阪を上回る博物館を持つ。軽井沢や安曇野に集積する美術館群、城下町ごとの歴史博物館、「教育県」と呼ばれてきた文化的土壌が重なった結果で、1975年(19館)から4倍以上に増えた。

全国的にも、バブル期から1990年代にかけての「地方の美術館建設ラッシュ」が長期増加の山を作っている。編集部としては、このチャートは公共投資の歴史としても読めると考えている。下位の青森(5館)・鳥取(7館)と上位の差は大きいが、施設数がそのまま文化的豊かさを意味するわけではない — 1館あたりの規模もコレクションも様々だ。図書館・体育施設と並べて、自治体が「何にハコモノを割り当ててきたか」の比較として眺めるのが面白い。

伸び率で図抜けているのは沖縄で、1975年のわずか1館から2021年に18館へと18倍になった。復帰後の文化施設整備に加え、首里城や沖縄戦の記憶など「伝えるべき固有の歴史」を持つ県であることが、博物館という器の需要を支えてきた。絶対数の首位・東京も43館から113館へ2.6倍、北海道も22館から66館へ3倍と、増加は全国区の現象だ。1975年に19館だった長野が83館へ伸びて全国2位に定着する過程は、既存の傾向欄で触れたとおりこのランキング最大の見どころだが、伸びの「率」で見ると小さな県の追い上げも決して負けていない。

「博物館」の数え方には注意がいる。博物館法の登録博物館だけでなく、博物館相当施設・類似施設を含む集計が一般的で、美術館・歴史資料館・科学館・動物園や水族館まで幅広い施設がこの言葉に含まれる。つまりこのランキングは「ミュージアムと呼べる器の総数」の統計だ。2023年には約60年ぶりの大改正となった改正博物館法が施行され、登録制度の対象が広がった——制度の節目を越えて、各県の館数がこれからどう動くかは、地方の文化投資の体力を測る試金石になる。図書館数と並べて、知のインフラの配置を見比べてほしい。

順位変動の主役は北関東にもいる。群馬は43位から17位へと大きく上がった——富岡製糸場をはじめ産業遺産や温泉地の資料館など、観光と結びついた館の整備が進んだ地域だ。石川も29位から14位へ上がり、金沢の美術館群が県の文化的な顔になっている。一方、山形は15位から35位へ、和歌山は20位から41位へと相対的に沈んだ。1996年時点の上位は東京93館・長野65館・北海道53館で、長野の2位は四半世紀以上前から不動だったことが分かる。館数の増減は文化への関心の増減ではなく、自治体がどの時代に何へ投資したかの記録——そう読むと、順位の一つひとつに地域史が透けて見える。首位・東京(113館)と最下位・青森(5館)の22倍差も、文化的な豊かさの差ではなく、人口・財政・観光という投資条件の差として読むのが公平だろう。動物園や水族館まで含む広義の「博物館」の集計だと知って眺めれば、青森の5館という数字の受け取り方も変わってくるはずだ。

雑学クイズ

日本の博物館制度の根拠となる法律は?

博物館法(1951年)。登録博物館の制度や学芸員の配置などを定める。2022年に約70年ぶりの大きな改正が行われた。(出典

世界最古の公開博物館のひとつとされる、1683年開館の英国の博物館は?

オックスフォード大学のアシュモレアン博物館。個人コレクションの寄贈を基に、大学博物館として一般公開された。(出典

博物館の資料収集・研究・展示を担う専門職資格は?

学芸員。博物館法に基づく国家資格で、欧米のキュレーターにあたる役割を担う。(出典

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出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」都道府県データ G 文化・スポーツ(statsDataId: 0000010107, G1501 博物館数), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。