World Bankが公開する「農地面積(国土に占める割合)」データを、Our World in Data経由で対象期間1961年〜2023年・上位30か国分の年次推移として収録しています。耕作地・永年作物地・永年牧草地を合計した割合で、地形・気候・人口密度の影響が現れます。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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このランキングについて
本ランキングは、世界銀行が公開する『国土に占める農地面積の割合(%)』を1961年から年次で収録したものです。耕作地・永年作物地・永年牧草地の合計で、最新年の上位30か国を対象としています。
データから読み取れる傾向
最新年の上位はコートジボワール(86.5%)・トルクメニスタン・ブルンジ・ウルグアイ・サウジアラビアと、一見すると共通点の見えにくい顔ぶれだ。実はこの指標の『農地』には牧草地が含まれるため、上位には2種類の国が混在する。ウルグアイやサウジアラビアのように広大な放牧地(牧草地)を持つ国と、ブルンジのように国土の大半を耕して農業に使う人口稠密な国だ。
注意したいのは、農地割合の高さは必ずしも農業生産力の高さを意味しないことだ。乾燥地の粗放な放牧地も『農地』に数えられるため、面積の割に生産は乏しい国もある。逆にオランダのように農地割合は中位でも世界有数の農業輸出国がある。編集部としては、この指標は『土地のどれだけを農業に使っているか』であって『どれだけ収穫しているか』ではない、と切り分けて読むのが肝心だと考えている。森林面積割合のランキングと並べると、国土の使い方の対照が見えてくる。
この表でいちばん大きく変わったのは、上位の顔ぶれそのものだ。1961年の首位ウルグアイ(93.44%)は2023年に81.35%で4位、2位だったモンゴル(90.91%)は68.96%まで下げて26位、3位のエスワティニ(85.35%)は24位、8位のデンマーク(79.00%)は65.53%で29位である。代わって首位に立ったのはコートジボワールで、49.48%から86.48%へ37ポイント上げて24位から1位へ駆け上がった。サウジアラビアも40.08%から80.77%へ2.02倍、26位から5位である。
注目したいのは、この指標の上位が「増えた国」と「減った国」で総入れ替えになっている点だ。上げたのはコートジボワール・サウジアラビア・ウガンダ(45.13%→71.89%)・ルワンダ(53.30%→76.33%)といった、農地を切り開いてきた国。下げたのはモンゴル・エスワティニ・デンマーク・ウルグアイなど、もともと国土の大半が農地だった国である。天井に近い国は下がるしかなく、余地のある国だけが上げられるという構造が、順位の総入れ替えを生んでいる。
最上位と最下位の差は1961年の53.36ポイントから2023年の21.35ポイントへ、半分以下に縮んだ。ただしこれを「世界の農地利用が均質化した」と読むのは早い。この表は最新年の値が大きい順に上位30か国を選んでいるため、最新年の時点で近い水準の国ばかりが集まる。過去にさかのぼるほど、その30か国はばらばらの位置から出発していたことになる。上位30を切り出す設計そのものが、右端で差を小さく見せる方向に働いている。
収録国数は1991年まで26か国、1993年以降が30か国。30か国平均は1966年の65.62%が最小で、2022年の73.76%が最大、2023年は73.66%である。半世紀かけて8ポイントほど上がったことになるが、これも上と同じ選び方の影響を受けている。国別の絶対水準を比べるより、それぞれの国の線がどちらへ向かっているかを追うほうが、この指標では実りが多い。
雑学クイズ
農地のうち、牧草地と作物を育てる耕地のほかに含まれる、果樹園などの土地を何という?
永年作物地。果樹・茶・ぶどうなど、毎年植え替えずに長年収穫する作物の土地を指す。(出典)
森林を切り開いて農地などに変える、世界的な環境問題にもなっている行為は?
森林伐採(森林破壊)。農地拡大は熱帯林減少の主な要因の一つとされる。(出典)
この種の各国開発データ(農地割合など)を広く公開している国際機関は?
世界銀行。World Bank Open Data として多数の指標を無償公開している。(出典)
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- 世界の森林面積割合の推移 — 農地と対になる土地利用。
- 世界の穀物生産量の推移 — 土地の上での生産量。
- 世界の淡水取水量の推移 — 農地を支える水資源。
出典: World Bank via Our World in Data「Agricultural land (% of land area)」, CC BY 4.0。