Our World in Data が公開する国別CO2排出量データから、対象期間1750年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は百万トン(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位30件です。
このランキングについて
この指標について。 「国別CO2排出量の推移」は Our World in Data(多くは World Bank・国連等の公的統計を再公開した二次データ) が公開するデータ(OWID Grapher slug “annual-co2-emissions-per-country”)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 百万トン です。
このチャートの見どころ。 注目したいのは主役交代の後のインドだ。2000年代後半から3位に定着し、上昇カーブの形は20年前の中国とよく似ている。西欧勢の減少と新興国の増加が打ち消し合う構図を、バーの伸縮で確かめてほしい。
注意点。 排出量は化石燃料の燃焼やセメント製造など領域内で生じた排出(生産ベース)を数えたもので、輸入品の製造時に海外で出た排出は含まれません。「世界の工場」を抱える国ほど、この集計方法では大きく見える点に留意してください。
データから読み取れる傾向
1990 年代までは米国の単独首位が続いたが、2000 年代半ばに中国が急上昇して逆転し、現在では中国が世界全体の約 3 割を排出する状態が固定化している。中国の排出増は石炭火力の新設ラッシュと製造業の集中によるもので、人口規模 (約 14 億人) を踏まえると 1 人当たりではまだ米国・湾岸産油国の方が高い (この点は 1 人当たり CO2 排出量ランキングで併読推奨)。
2000 年代以降に注目したいのは、英国・ドイツなど西欧主要国の排出量が緩やかな減少基調にあること。これは石炭から天然ガス・再エネへの転換と省エネ規制の効果だ。一方インドは中国に続く形で 2000 年代後半から急上昇し、近年は世界 3 位の常連となっている。日本は東日本大震災後の原発停止 (2011〜) で一時的に排出量が増加し、その後再エネ拡大と省エネで微減傾向に転じている点が、年次の変化として明確に読み取れる。
編集部のおすすめの見方は、2000〜2010 年を等速で再生して中国のバーが米国を追い抜く瞬間を確認したうえで、減少に転じる英独のバーの動きを追い直すことだ。同じ 10 年間に逆方向の変化が同時進行していたことがよく分かる。
この系列は1750年から始まるが、左端はイギリス1国しかない。1750年のイギリスは9.31百万トンで、もう1つの収録国オーストラリアは0.00である。1841年でも値のある国は8か国で、イギリス81.33・フランス13.82・ドイツ9.55・米国6.21という並びだった。産業革命が最初に起きた国が、世界で唯一まとまった量を排出していた時代が100年近く続いたことになる。
首位の交代は2度あった。1933年の上位は米国1,348.88・イギリス412.27・ドイツ364.98で、すでに米国が単独首位になっている。その米国も2005年の6,126.90百万トンをピークに減り始め、2006年に中国に抜かれた。2024年の米国は4,904.12百万トンで、ピークから20%減である。中国は12,289.04百万トンで、この30か国の合計33,079百万トンの37.2%を1国で占める。
イギリスの軌跡は、この表で最もはっきりした減少である。1971年の660.40百万トンをピークに下がり続け、2024年は312.91百万トン。ピークの47%まで落ちた。1750年に世界唯一の排出国だった国が、いまは18位である。オーストラリアも1750年に2位(0.00)から2024年は16位。ただし絶対量は0から386.73百万トンへ増えており、これは順位が下がっただけで排出が減ったわけではない。
読み方の注意をひとつ。この数字は生産ベース、つまりその国の領域内で燃やした分を数えている。輸入品の製造時に海外で出た排出は含まれない。「世界の工場」を抱える国ほど大きく見え、製造を海外に移した国は小さく見える。中国の37.2%という数字には、他国向けに作られた製品の分が相当含まれている点は押さえておきたい。1人あたりの排出量ランキングと合わせて読むと、責任の所在の見え方がさらに変わる。
雑学クイズ
大気中のCO2濃度を1958年から継続観測し、その増加を示した「キーリング曲線」で知られる観測所があるのは、どの島?
ハワイ島のマウナロア。地球規模のCO2濃度上昇を示す代表的な観測データで、観測を始めたチャールズ・キーリングにちなんで名付けられた。(出典)
世界各国が温室効果ガス削減に取り組むことを定めた、2015年に採択された国際協定は?
パリ協定。COP21で採択され、世界平均気温の上昇を産業革命前比で2℃を十分下回り、できれば1.5℃に抑えることを目標とする。(出典)
CO2やメタンなど、地表から放射される熱を吸収して大気を暖める気体の総称は?
温室効果ガス(GHG)。CO2が代表的だが、メタンや一酸化二窒素、フロン類なども含まれる。(出典)
あわせて読みたい
- 国別1人当たり CO2 排出量の推移 — 規模を割って見ると、上位の顔ぶれが大きく変わる。
- 国別再生可能エネルギー発電比率の推移 — 排出減の手段としての再エネ普及状況。
- 国別1次エネルギー消費量の推移 — 排出量の上流側にあるエネルギー需要そのもの。
出典: Our World in Data「Annual CO₂ emissions per country」, CC BY 4.0。