世界銀行が公開する「1人あたり国民総所得 (GNI, Atlas法, 米ドル)」データから、対象期間1962年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。GDPが「国内で生産された付加価値」を指すのに対し、GNIは「自国民が稼いだ所得(海外からの所得受取を含む)」を示します。値は千ドル単位。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位30件です。
このランキングについて
この指標について。 「国別1人あたり国民総所得(GNI)の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード NY.GNP.PCAP.CD)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 千ドル です。
このチャートの見どころ。 見どころは1人当たりGDP版との「ずれ」だ。多国籍企業の利益が海外株主へ抜けるアイルランドは、GDP版の4位に対しGNI版では7位に下がる——同じ「豊かさ」でも定義で景色が変わることを実感できる。
注意点。 GNI(Atlas法)は為替レートを3年平均で平滑化するため、急激な通貨変動の影響は遅れて現れます。国境をまたぐ所得の出入りを含む分、GDPとは順位がずれる国がある点も含めて、1人当たりGDPのページと見比べて読んでください。
データから読み取れる傾向
GNI は GDP に「自国民が海外で稼いだ所得 − 外国人が自国で稼いだ所得」を加算した指標で、Atlas 法では為替レートを 3 年平均で平滑化している。2024 年の上位はバミューダ (145.2 千ドル)・ノルウェー (98.2)・スイス (95.2)・ルクセンブルク (84.7)・米国 (83.5) で、1 人当たり GDP 版とおおむね重なるが、GDP と差が出る国がいくつかある。アイルランドは多国籍企業の本部利益が GDP には算入される一方、それらの利益の多くは海外株主に帰属するため、GNI ベースでは GDP よりやや低く出る傾向にある。
逆に対外純資産の大きい国では、海外からの投資収益が乗るぶん GNI が GDP より高く出る。なお本ランキングは最新年の値が大きい順に上位 30 か国を選ぶ設計のため、2024 年に 47.6 千ドルに届かない国は収録されない。日本や中国・インドがこの表に現れないのはそのためで、上位 30 はいずれも所得水準の高い国と属領で占められている。
1 人当たり GDP のページと本ページを並べて見比べるのが編集部のおすすめだ。アイルランドが GDP 版で 4 位、GNI 版で 7 位と順位を下げることを実際に確認すると、この 2 指標の定義の違いが腑に落ちる。
62年間の伸びは桁が違う。ノルウェーは1962年の1.6千ドルから2024年の98.2千ドルへ61.38倍、アイスランドは1.6から82.2へ51.38倍、ルクセンブルクは1.7から84.7へ49.82倍、スイスは2.2から95.2へ43.27倍である。1962年の首位だった米国は3.3千ドルで、当時の最下位シンガポール0.5千ドルの6.6倍。2024年は首位バミューダ145.2千ドルが最下位ニュージーランド47.6千ドルの3.1倍で、上下の比はむしろ縮んでいる。
順位を上げたのはアイルランド(18位→7位)・シンガポール(19位→9位)・ノルウェー(9位→2位)・アイスランド(10位→6位)の4か国だけである。逆に下げたのはニュージーランド(4位→25位)・カナダ(3位→19位)・イギリス(8位→23位)・スウェーデン(2位→14位)・イスラエル(12位→20位)・オーストラリア(6位→12位)。1962年に上位だった英連邦系の国が軒並み後退している。
注意したいのは、この指標がAtlas法という独特の計算をしていることだ。為替レートを3年平均で平滑化するため、急激な通貨変動の影響は数年遅れて現れる。自国通貨が対ドルで大きく動いた年には、実体経済が変わらなくてもドル建ての値が動く。その変化はこの系列では緩やかに、しかし確実に反映される。年ごとの細かい上下より、5年単位の傾きを見るほうが実りが多い。
収録国数の変化も押さえておきたい。値のある国は1962年に19か国、1983年23か国、2004年25か国、2024年も25か国である。左端では19か国のなかの順位でしかなく、右端も25か国のあいだの順位だ。30か国すべてがそろう年は限られる。折れ線が途中から始まる国が多いのは、その国が貧しかったからではなく、統計の整備が後になったためである場合も多い。
雑学クイズ
GNI(国民総所得)とGDPの違いは?
GNIはGDPに海外からの所得の純受取(利子・配当・賃金など)を加えたもの。多国籍企業や出稼ぎ労働者が多い国で差が大きくなる。(出典)
世界銀行が1人当たりGNIをもとに国を分類する所得区分はいくつ?
4区分(低所得・低中所得・高中所得・高所得)。融資条件や統計分類の基準として使われる。(出典)
為替の急変動を抑えて1人当たりGNIを算出するために世界銀行が用いる手法は?
アトラス法。3年間の為替レートを平均して平滑化し、年ごとの振れを小さくする。(出典)
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- 国別1人当たり GDP の推移 — GDP と GNI を並べて読むと「所得の流出入」が見える。
- 国別名目 GDP の推移 — 絶対値の経済規模。
出典: World Bank「GNI per capita, Atlas method (current US$)」(NY.GNP.PCAP.CD), CC BY 4.0。