国別出生率(人口千対)の推移(1960年〜2024年)

世界銀行 (World Bank) が公開する粗出生率(人口千対)データから、対象期間1960年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は人/千人(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別出生率(人口千対)の推移(1960年〜)

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Source: World Bank — Birth rate, crude (per 1,000 people) (SP.DYN.CBRT.IN) · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-07

このランキングについて

本ランキングは、World Bank の人口千人あたり出生数(粗出生率・人/千人)を1960年から年次で収録したものです。最新年の出生率が高い順に上位30か国を対象としています。合計特殊出生率(女性1人あたり)とは異なり、人口全体に対する1年間の出生数の比です。

データから読み取れる傾向

最新年の上位は中央アフリカ共和国(46)・チャド・ソマリア・ニジェール・コンゴ民主と、サハラ以南アフリカが独占する。これらの国は乳幼児死亡率が高く、女子教育や避妊の普及が遅れ、子どもが労働力・老後の支えとなる社会構造を背景に高い出生率が続いている。

長期トレンドは明確な世界的低下だ。1960年の首位ニジェールは58という驚異的な水準だったが、世界全体で出生率は下がり続けている。粗出生率は人口の年齢構成にも左右される点に注意が必要で、若年人口の多い国ほど高く出る。編集部としては、合計特殊出生率のランキングと並べて読むことをすすめたい。粗出生率(人口比)と合計特殊出生率(女性1人あたり)の違いを意識すると、『出生率が高い』という言葉の二つの意味が腑に落ちる。

この30か国のうち、1960年より2024年の値が高い国はひとつしかない。中央アフリカ共和国で、43.53から46.19へ2.66だけ上げている。1960年には30か国中28位、つまり下から3番目だった国が、いま首位に立っているわけだ。値を上げたから1位になったというより、周囲が軒並み大きく下げるなかで水準を保ったことが順位に表れた。チャドが24位から2位、ソマリアが20位から3位へ上がったのも同じ構図である。

対照的に大きく下げたのはコートジボワール(54.65→31.56、−23.09)とマラウイ(53.73→31.14、−22.59)で、いずれも4割以上の低下だ。1960年に3位・4位だった両国は、いま23位・26位まで落ちている。イエメンも56.02から34.36へ下げて2位から12位へ、シエラレオネは13位から29位へ動いた。同じ「高出生率の国」というくくりのなかでも、半世紀での落ち方には倍近い差がある。

30か国の平均は1960年の48.18から始まり、1968年の48.49でピークを打ってから下がり続けて2024年は34.74。つまり1960年代はまだ上昇局面にあり、明確な低下が始まるのは1970年前後からだ。乳幼児死亡率の改善が先に進み、出生率の低下が後から追いつくという人口転換の順序が、この立ち上がりの遅れに現れている。

興味深いのは、全体が14近く下がったのに最上位と最下位の開きはほとんど変わっていないことだ(1960年の17.23に対し2024年は16.20)。水準は下がっても、この30か国のなかでのばらつきは収束していない。粗出生率は年齢構成に強く左右されるため、若年人口の割合が違えば同じ出生行動でも値は変わる。順位の比較よりも、各国の線がどの時期にどれだけの角度で折れたかを見るほうが、この指標では実りが多い。同じ20ポイントの低下でも、それが10年で起きたのか半世紀かけて起きたのかで、社会が受ける衝撃はまったく違う。急な低下は学校や雇用の仕組みを短期間で作り替えることを迫り、緩やかな低下は世代をまたいで負担を分散させる。折れ線の角度は、その違いを一目で示してくれる。30本の線を重ねて眺めると、角度のばらつきの大きさに気づくはずだ。

雑学クイズ

人口千人あたりの出生数を「粗出生率」と呼ぶのに対し、女性1人が生涯に産む子の数の指標を何という?

合計特殊出生率(TFR)。人口を維持できる水準は約2.1とされる。(出典

出生率の低下と死亡率の低下が時間差で進み、人口構造が変化する過程を何という?

人口転換(人口転換理論)。多産多死から多産少死を経て少産少死へ移行するモデル。(出典

出生数が死亡数を上回って人口が自然に増えることを何という?

自然増。逆に死亡が出生を上回ると自然減。出生率の高い国は自然増が大きい傾向にある。(出典

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出典: World Bank「Birth rate, crude (per 1,000 people)」(SP.DYN.CBRT.IN), CC BY 4.0。