都道府県別がん死亡数の推移(1975年〜2023年)

総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ・基礎データ I 健康・医療)」の指標 I9102「悪性新生物(腫瘍)による死亡者数」から、対象期間1975年〜2023年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は千人(小数点以下2桁)。人口比較ではなく絶対数です。集計値(全国)は除外しています。

都道府県別がん死亡数の推移(1975年〜)

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Source: 総務省統計局 — 社会・人口統計体系 都道府県データ 基礎データ I 健康・医療 (statsDataId: 0000010109, I9102 がん死亡数) · Government of Japan Standard Terms of Use 2.0 (CC BY 4.0-compatible) · accessed 2026-05-07

このランキングについて

本ランキングは、悪性新生物(がん)による死亡者数の絶対数(千人)を都道府県別に1975年から収録したものです。人口当たりの率ではなく実数のため、人口規模の大きい都府県が上位に来ます。

データから読み取れる傾向

最新年の上位は東京(34.28千人)・大阪・神奈川・埼玉・愛知と人口順に並び、下位は鳥取・福井・島根の人口小県。この『人口の順位とほぼ一致する』こと自体が重要な情報だ。がんは特定地域の病ではなく、長寿化したすべての地域で死因の主役になっている。

時系列の上昇は驚くほど一貫している。東京は1975年の12.34千人から最新年34.28千人へ、半世紀で約2.8倍に増えた。脳卒中の死亡数が同じ期間に減ったのとは対照的だ。これはがん医療の後退ではなく、他の死因(脳卒中・感染症)が抑え込まれ、長生きするほど誰もが向き合う病としてがんが残ったことを意味する。実際、がんは1981年以降ずっと日本人の死因第1位だ。編集部としては、脳卒中・心疾患の死亡数ページと3枚並べ、『減った死因』と『増えた死因』の対比として読むことをすすめたい。

47都道府県の合計を年ごとに足し上げると、1975年の136.28千人から2022年の385.73千人まで、ほぼ一本調子で2.8倍に増えている。ところが2023年は382.42千人で、前年を3.31千人下回った。収録49年間で全国の合計が前年より減ったのは、この2023年が唯一である。1年だけの動きなので傾向と呼ぶには早いが、半世紀ずっと右肩上がりだった線の右端がはじめて下を向いたことは記録しておきたい。

個々の県では、1975年と2023年を比べて死亡数が減った県はひとつもない。増加数の上位は東京の+21.94千人、神奈川+19.32、大阪+17.70、埼玉+16.75と首都圏に集中している。倍率で見ると埼玉が4.93倍、神奈川が4.34倍で、全国平均の2.8倍を大きく上回る。高度成長期に若い世代を大量に受け入れた地域が、半世紀を経てその世代の高齢期を迎えているという人口の履歴が、そのまま数字に出ている。

一方で増え方が小さいのは鳥取の+0.99千人(2.09倍)、島根+1.20、佐賀+1.30、福井+1.32。これらの県は若年層が流出したまま人口が縮んできたため、絶対数は伸びにくい。結果として最大値と最小値の差は1975年の11.51千人から2023年の32.38千人へ、3倍近くに開いた。絶対数のランキングでは、人口が特定地域へ偏るほど上下の差も機械的に広がっていく。

順位そのものはほとんど動かない。上がったのは沖縄(47位→38位)・栃木(27位→20位)・群馬(25位→19位)・青森(31位→25位)、下がったのは鹿児島(17位→24位)・長崎(21位→27位)・和歌山(34位→39位)・兵庫(4位→8位)くらいである。この指標の順位変動は病気の地域差ではなく、半世紀分の人口移動を追いかけているだけだと考えたほうがよい。地域ごとのリスクを比べたいときは、必ず率の指標に切り替えて読んでほしい。なお、がん死亡数は高齢化とともに機械的に増える。日本人が長生きになるほど、がんに到達する人は増えるからだ。したがってこのチャートの右肩上がりは、がん対策が効いていないことの証拠にはならない。治療成績の変化を見たいのであれば、年齢調整死亡率や5年生存率といった別の指標に当たる必要がある。

雑学クイズ

がんが日本人の death cause 第1位になったのはいつ頃から?

1981年から。それ以前は脳血管疾患が1位だった。以降、がんは一貫して死因のトップを占めている。(出典

がん対策を国の責務として総合的に進めるため2006年に制定された法律は?

がん対策基本法。がん診療連携拠点病院の整備や緩和ケアの推進などの基礎になった。(出典

「悪性新生物」「悪性腫瘍」「がん」はどう違う?

ほぼ同義。統計用語では悪性新生物、医学的には悪性腫瘍と呼ぶ。ひらがなの「がん」は上皮性・非上皮性を含む総称として広く使われる。(出典

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出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」都道府県データ I 健康・医療(statsDataId: 0000010109, I9102 がん死亡数), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。