国別1人当たりGDPの推移(1960年〜2024年)

世界銀行 (World Bank) が公開する1人当たり名目GDP(米ドル)データから、対象期間1960年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は米ドル(整数)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。インフレ要因により異なる年代の直接比較には注意が必要です。

国別1人当たりGDPの推移(1960年〜)

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「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位30件です。

Source: World Bank — GDP per capita (current US$) (NY.GDP.PCAP.CD) · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-07

このランキングについて

この指標について。 「国別1人当たりGDPの推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード NY.GDP.PCAP.CD)を本ランキングが整形したものです。値の単位は ドル です。

このチャートの見どころ。 見どころは1970年代の湾岸勢の乱入だ。オイルショックとともにカタール・UAEが先進国クラブへ割り込み、以降は油価とともにバーが伸縮する——資源国の宿命が順位の波として現れる。

注意点。 集計行(地域別・所得階層別)は本ランキングから除外していますが、World Bank サイトでは同じ指標を地域単位でも参照できます。 物価水準の違いを補正した比較には、購買力平価ベースの 1人当たりGDP (NY.GDP.PCAP.PP.CD) の方が適しています。

データから読み取れる傾向

2020 年代に入って以降、上位は人口規模の小さい国に集中している。2024 年の 1 位はモナコの 288,001 ドルで、2 位バミューダ 142,855・3 位ルクセンブルク 137,782・4 位アイルランド 112,895・5 位スイス 103,998 と続く。首位のモナコは 5 位スイスの 2.8 倍で、人口 4 万人弱の都市国家が桁違いの値を示す。特にアイルランドは 2010 年代後半に急上昇しているが、これは多国籍企業の本部移転に伴う「統計上のかさ上げ」効果が大きく、国民の実生活水準を直接反映する数字ではない点に注意が必要だ。湾岸産油国(カタール、UAE)が上位に登場するのは 1970 年代以降で、原油価格に強く連動する。

一方、1960 年代の上位は米国・スイス・スウェーデンといった先進国に限られ、当時は「先進国」内部の格差自体が現在ほど大きくなかったことが読み取れる。なお本ランキングは最新年の値が高い順に上位 30 か国を選ぶ設計のため、2024 年に 53,150 ドルに届かない国は収録されない。絶対値の GDP で世界上位にある中国・インド・日本がこの表に現れないのはそのためで、規模と 1 人あたり水準を切り分けて見る重要性が分かる。

編集部でこのデータを整形していて最初に戸惑ったのもアイルランドの急勾配で、誤入力を疑って World Bank の原系列を確認し直したほどだった。再生時は 2015〜2020 年あたりを 0.5× に落として、アイルランドとシンガポールの動きを見比べるのがおすすめだ。

アイルランドの立ち上がりは、この表で最も急である。1960年の707ドルから2024年の112,895ドルへ159.68倍、順位は18位から4位になった。1960年には30か国中で下から3番目、シンガポール428ドル・香港427ドルと並ぶ下位グループにいた国だ。もっともこの急勾配の相当部分は、多国籍企業が本部機能を移した結果として統計上のGDPがかさ上げされたことによる。国民の生活水準がそのまま160倍になったわけではない。

同じく下位から上がったのがシンガポールで、428ドルから2024年に19位→6位へ。バミューダは1,715ドルから142,855ドルへ83.30倍で7位から2位、ルクセンブルクは2,261ドルから137,782ドルへ60.94倍で3位を維持している。逆に下げたのはカナダ(2位→20位)・スウェーデン(4位→17位)・イスラエル(9位→21位)・イギリス(11位→23位)・フィンランド(14位→24位)・オーストラリア(6位→15位)だった。

上下の開きは劇的に広がった。1960年は首位の米国3,000ドルと最下位の香港427ドルで差は2,573ドル、比では7.0倍だった。2024年は首位モナコ288,001ドルと最下位フィンランド53,150ドルで差は234,851ドル、比は5.4倍。比としてはむしろ縮んでいるが、絶対額の開きは91倍になった。名目ドル建てで65年を比べると、インフレの分だけ差は自動的に大きく見える。

収録国数も見ておきたい。値のある国は1960年に20か国、1981年25か国、2003年29か国、2024年は24か国である。1960年の「首位」は、その年に値のある20か国のなかで最も高かったという意味でしかない。モナコが表に現れるのは1970年代からで、1981年にはすでに44,157ドルと2位カタール29,505ドルを大きく引き離していた。人口4万人弱の都市国家が上位に来るのは、この指標では構造的な現象である。

雑学クイズ

GDPを各国の物価差を調整して比較する方法を何という?

購買力平価(PPP)。為替レート換算より、現地の生活実感に近い比較ができる。(出典

1人当たりGDPは平均値であるがゆえに、表せないものは?

国内の所得格差や分配。平均が高くても貧富の差が大きい場合がある(格差はジニ係数などで別途測る)。(出典

資源輸出に依存し、1人当たりGDPは高いが経済が偏りやすい状態を指す言葉は?

「資源の呪い」(resource curse)。少人口の産油国などで1人当たりGDPが極端に高くなる一因にもなる。(出典

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出典: World Bank「GDP per capita (current US$)」(NY.GDP.PCAP.CD), CC BY 4.0。