世界銀行とWIPO(世界知的所有権機関)が公開する「居住者による特許出願件数」データから、対象期間1980年〜2021年・上位30か国分の年次推移を収録しています。国内のイノベーション活動量を示す代表的指標で、中国・米国・日本・韓国の動向が顕著です。値は千件単位。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位30件です。
このランキングについて
この指標について。 「国別特許出願件数(居住者)の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード IP.PAT.RESD)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 千件 です。
このチャートの見どころ。 編集部のおすすめは2010年前後の日中交代だ。38万件台で長く首位だった日本を2010年に中国が抜き、142万件台まで一気に伸ばす——ただし件数の急増は奨励政策の産物でもあり、「量の地図」と「質の地図」は別物だと意識しながら見てほしい。
注意点。 本指標は居住者による出願の件数で、登録(成立)した特許でも国際出願でもありません。出願奨励策の有無で件数は大きく動くため、国際比較はPCT出願数や被引用数といった質的な指標と併せて行うことを推奨します。
データから読み取れる傾向
居住者による特許出願件数は 2010 年代に大きな構造変化があった。1990 年代までは日本が世界 1 位の常連で、ピークの2000年には387.4千件を出願していた。しかし 2010 年に中国が日本を追い抜き、最新の2021年は中国が世界 1 位 (1,426.6千件) で、米国・日本・韓国・ドイツが続く構図に変わった。中国の急上昇は政府の積極的な特許取得奨励政策と、企業評価・大学評価への特許件数組み込みが大きい。
「件数」と「質」は別物である点に留意が必要だ。日本・米国・ドイツ・韓国の特許は国際出願 (PCT) の比率が高く、世界各国で権利化される実用的なものが多い。一方、中国の特許の多くは国内出願にとどまり、国際出願率や引用回数で見ると別の地図が描かれる。本指標は研究開発活動の「量的」側面を測るものとして、研究開発費 (R&D 投資額) ランキングと併読することで全体像が把握できる。
中国の伸びは、比較できる相手がいないほど急である。1985年の4.1千件から2021年の1,426.6千件へ、36年で348倍になった。2000年でもまだ25.3千件で、日本(387.4千件)の15分の1にすぎない。そこから2005年93.5、2010年293.1、2015年968.3、2020年1,344.8と積み上げた。2021年の中国1国で、この30か国の合計2,273千件の62.8%を占める。1980年の30か国合計が327千件だったことを思えば、中国だけで当時の世界の4倍を出願している計算になる。
日本はすでにピークを20年以上前に過ぎている。1980年の165.7千件から増え続けて2000年に387.4千件で頂点に達し、そこから2010年290.1、2015年258.8、2021年222.5と下がってきた。ピークの57%である。それでも1980年比では1.34倍で、順位も1位から3位にとどまっている。減りながらも3位を維持できているのは、下から追い上げてくる国が限られているからでもある。
追い上げているのはアジアだ。韓国は1980年の1.2千件から2021年の186.2千件へ155倍になり、17位から4位へ。インドは1.2千件から26.3千件へ21.92倍で18位から6位、イランは22位から11位、トルコは23位から12位、シンガポールは24位から18位へ上がった。1980年に1千件前後だった国が、40年で日本の1割前後の規模まで来ている。
逆に、出願件数そのものが減った国もある。イギリスは19.6千件から11.6千件へ0.59倍で4位から28位、スイスは4.0千件から1.3千件へ0.33倍で9位から27位、スウェーデンは4.1から1.8へ8位から21位、ポーランドは6.2から3.4へ、スペインは13位から26位である。西欧の主要国が軒並み件数を減らしているのは、居住者による国内出願から欧州特許庁やPCTを通じた国際出願へ経路が移ったことの反映と考えられる。本指標が数えているのはあくまで居住者の国内出願であり、発明の総量ではない。
雑学クイズ
発明を一定期間、独占的に実施できる権利を国が与える制度を何という?
特許(パテント)。出願件数は、その国の技術革新の活発さを示す代表的な目安とされる。(出典)
世界の知的財産制度を統括し、国際特許出願(PCT)の仕組みを運営する国連の専門機関は?
WIPO(世界知的所有権機関)。スイス・ジュネーブに本部を置く。(出典)
特許統計で「居住者による出願」と「非居住者による出願」を分けて数えるのはなぜ?
自国内のイノベーション活動(居住者)と、海外からの権利確保の動き(非居住者)を区別するため。本ランキングは居住者出願を用いる。(出典)
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- 国別1人当たり GDP の推移 — 研究開発の経済的基盤。
- 国別中等教育在学率の推移 — イノベーションの土台としての教育普及。
出典: World Bank / WIPO「Patent applications, residents」(IP.PAT.RESD), CC BY 4.0。