総務省統計局「社会・人口統計体系(都道府県データ・基礎データ A 人口・世帯)」の指標 A9121「婚姻率(人口千人当たり)」から、対象期間2014年〜2023年・47都道府県分の年次推移を収録しています。値の単位は件/千人(小数点以下2桁)。集計値(全国)は除外しています。
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このランキングについて
本ランキングは、人口千人当たりの婚姻件数(婚姻率・件/千人)を都道府県別に2014年から年次で収録したものです。結婚の多さを示す指標ですが、若年人口の比率に強く影響される点に注意が必要です。
データから読み取れる傾向
最新年の首位は東京(5.3)で、大阪・沖縄・愛知・神奈川が続く。下位は秋田(2.5)・青森・山形。一見「都会ほど結婚する」ように見えるが、婚姻率は分母が全人口のため、結婚適齢期の若者が多く集まる都市ほど機械的に高く出る。沖縄が上位に入るのは若年人口比率の高さ(出生率全国一)を反映したもので、都市集積とは別の要因だ。
時系列では全国的に低下が続いており、首位の東京でさえ2014年の6.7から5.3へ下げた。晩婚化・非婚化が全県を覆う大きな流れだ。編集部としては、この指標を「県民の結婚しやすさ」と直結させない読み方を強くすすめたい。婚姻率の地域差の大半は、その県に若者がどれだけ住んでいるかで説明できてしまう。むしろ離婚率や出生数と並べて、結婚という出来事が人口動態全体のどこに位置するかを眺めるのが、データの正しい使い方だ。
全国平均を年次で並べると、2014年の4.77から2018年の4.34まで一本調子で下がったあと、2019年だけ4.44へ反転している。2019年は改元の年で、「令和婚」と呼ばれる駆け込みの届出があったことが知られている。ところが翌2020年は3.94へ0.5も落ち、この10年で最大の下げ幅を記録した。式や式典を伴う行事が止まった年であり、2021年(3.78)・2022年(3.74)も戻らないまま2023年は3.52まで下がった。
2014年と2023年を比べると、値が上がった県はひとつもない。47都道府県すべてが下げている。下げ幅が最大なのは宮城(5.1→3.5)と沖縄(6.0→4.4)でともに−1.6、比率で見ると青森(4.2→2.8、0.67倍)が最も大きい。上位にいた県ほど下げ幅が大きく出るのは、分母である人口に対して届出の絶対数が減っているためで、若年層が薄い県では下げしろ自体が小さいという事情もある。
それでも順位は動く。山梨は4.5から3.6へ下げているのに32位から15位へ上がり、富山も41位から31位へ上げた。逆に熊本は17位から29位、宮城は8位から19位へ落ちている。全県が同じ方向へ動く指標では、順位の変動は「下げ方が浅かったかどうか」しか表さない。上がった県が結婚しやすくなったわけではないという点は、繰り返し確認しておきたい。
最上位と最下位の差は3.00から2.80へ縮んだが、これを格差の縮小と読むのは早い。東京と秋田の比は2014年の1.8倍から2023年の2.1倍へ広がっている。全体の水準が下がると絶対差は自然に縮むため、こうした指標では差ではなく比で見たほうが実態に近い。同じ数字から正反対の結論が出てしまう典型例である。もうひとつ、婚姻率は届出のあった年で計上される点も押さえておきたい。2019年の反転と2020年の急落が示すように、この指標は結婚の意思そのものより、届出のタイミングを左右する出来事へ敏感に反応する。改元や災害、感染症の流行といった一過性の要因が数字を上下させるため、単年の値ではなく数年の傾きで読むほうが安全だ。そしてその傾きは、この10年についてはすべての県で下を向いている。
雑学クイズ
日本で結婚が法的に成立するのはいつの時点?
婚姻届が受理されたとき。挙式や同居ではなく、戸籍法に基づく届出によって法律上の効力が生じる(届出婚主義)。(出典)
ほとんどの人が生涯に一度は結婚する社会を指す言葉は?
皆婚社会。かつての日本を指す言葉で、生涯未婚率の上昇により近年は当てはまらなくなったとされる。(出典)
2022年4月、日本で女性の婚姻可能年齢はどう変わった?
16歳から18歳に引き上げられ、男女とも18歳に統一された。成年年齢の18歳への引き下げと同時に施行された。(出典)
あわせて読みたい
- 都道府県別離婚率の推移 — 結婚と対になる解消の側。
- 都道府県別出生数の推移 — 婚姻と強く連動する出生。
- 都道府県別生産年齢人口割合の推移 — 婚姻率を左右する若年人口。
出典: 総務省統計局「社会・人口統計体系」都道府県データ A 人口・世帯(statsDataId: 0000010101, A9121 婚姻率), 政府標準利用規約 2.0(CC BY 4.0 互換)。