国別高等教育就学率の推移(1970年〜2024年)

世界銀行 (World Bank) が公開する高等教育総就学率データから、対象期間1970年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は%(小数点以下2桁)。総就学率は対象年齢以外の在籍も含むため、100%を超える年があります。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別高等教育就学率の推移(1970年〜)

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Source: World Bank — School enrollment, tertiary (% gross) (SE.TER.ENRR) · CC BY 4.0 · accessed 2026-06-25

このランキングについて

この指標について。 「国別高等教育就学率の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード SE.TER.ENRR)を本ランキングが整形したものです。値の単位は % で、大学・短大・高専・専門学校などの高等教育段階の総就学率(gross enrollment ratio)を指します。

このチャートの見どころ。 見どころはトルコ・アルゼンチン・サウジアラビアの急坂だ。1970年代に一桁%だった就学率が100%前後へ——高等教育が一部のエリートのものから大衆のものへ変わる「マス化」の半世紀が、バーの伸びとして直接見える。

注意点。 総就学率は対象年齢以外の在籍者(社会人・留年・複数年在籍)も分子に含むため、進学が一般化した社会では100%を超えます。首位ギリシャの極端な高値(2023年165.11%)には、在籍が複数年に積み上がる集計上の特性も反映されています。標準年齢の在学だけを見る純就学率(NER)とは異なる点に注意してください。

データから読み取れる傾向

最新年の上位はギリシャ(2023年165.11%)、マカオ(141.86%)、キプロス(120.88%)、香港(120.09%)、韓国(111.85%)と、100%を超える国が並ぶ。これは高等教育の標準年齢人口に対する在籍者数の比で、対象年齢外を含む総就学率の性質上、進学が当たり前になった社会では容易に100%を超える。一方で日本は上位30か国には入っていない(総就学率は60%台にとどまる)。「大学進学率が高い国」という印象と実際の順位がずれるのが、この指標の読みどころだ。

通しで再生して最もよく見えるのは、就学率の急拡大だ。トルコは1971年の4.94%から2023年に105.89%へ、サウジアラビアは1971年の2.79%から2024年に83.88%へ、アルゼンチンは1970年の13.28%から107.82%へと、半世紀で高等教育が一部のエリートのものから大衆のものへと変わった。教育社会学でいう「マス化・ユニバーサル化」が国境を越えて進んだことが読み取れる。編集部で年次を1年ずつ送って確認したところ、2000年代以降の新興国の追い上げは想像以上に急で、グラフ上で順位が何度も入れ替わるのが印象的だった。

この系列は左端がほとんど空白である。1970年に値があるのはアルゼンチンの13.28%だけ、1988年でも4か国しかない。2006年に25か国、2020年に28か国とそろってきたが、2024年はふたたび16か国に減る。左端の「首位」は1か国のなかの首位という意味でしかなく、右端も報告の届いた16か国のあいだの順位である。この指標で年をまたいで順位を比べるときは、母集団の大きさを必ず確認したい。

30か国の平均は1970年の13.28%から2024年の100.53%へ上がった。最も低かったのは1973年の9.17%である。50年で平均が100%を超えるということは、この30か国では高等教育が「一部の人が進むもの」から「ほとんどの人が通るもの」へ変わったということだ。ただし総就学率は対象年齢外の在籍者も分子に含むため、100%は「全員が在学している」ことを意味しない。

伸びの大きさは国によってまるで違う。トルコは1971年の4.94%から2023年の105.89%へ、サウジアラビアは1971年の2.79%から2024年の83.88%へ、アルゼンチンは1970年の13.28%から107.82%へ。いずれも半世紀で20倍から30倍になった。2006年の時点では首位の韓国が99.95%、下位はマルタ31.23%・アルバニア26.21%・サウジアラビア24.51%と幅があったが、2024年は最下位のポーランドでも80.91%である。

2024年の上位はマカオ141.86%・キプロス120.88%・香港120.09%・韓国111.85%・フィンランド110.30%。上位に小さな地域が並ぶのは、域外から学生を受け入れると分子だけが増えて比率が跳ね上がるためでもある。なお日本はこの30か国に入っていない。「大学進学率が高い国」という印象と、この指標での順位はかなりずれる。総就学率と純就学率の違いを踏まえて読むことが、この指標ではとくに重要になる。

雑学クイズ

「高等教育(tertiary education)」とは、日本の学校制度でいうとどの段階にあたる?

大学・短大・高等専門学校・専門学校など、中等教育(高校)の次の段階。ISCEDではレベル5以上にあたる。(出典

総就学率(GER)が100%を超えることがあるのはなぜ?

留年・社会人入学・対象年齢より上下の在籍者も分子に含まれるため。標準年齢の在学だけを見る純就学率(NER)とは区別される。(出典

高等教育を大衆が受けるようになった現象を、教育社会学では何と呼ぶ?

高等教育の「ユニバーサル化」。就学率15%まではエリート段階、15〜50%でマス段階、50%超でユニバーサル段階とされる(マーチン・トロウの分類)。(出典

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出典: World Bank「School enrollment, tertiary (% gross)」(SE.TER.ENRR), CC BY 4.0。