世界銀行 (World Bank) が公開する合計特殊出生率(女性1人当たりの平均出生数)データから、対象期間1960年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は人(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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チャートの操作方法
「再生 / 一時停止」で年次アニメーションを開始・停止、年スライダーで任意の年へ移動、速度セレクタ(0.5×/1×/2×)で再生速度を変更できます。各年は上位12件を表示し、収録データは最新年の上位30件です。
このランキングについて
この指標について。 「国別合計特殊出生率の推移」は 世界銀行 (World Bank) が公開するデータ(指標コード SP.DYN.TFRT.IN)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 人 です。
このチャートの見どころ。 見どころは首位の入れ替わりだ。1960年に7.99で1位だったイエメンは2024年に4.50で13位、逆に1960年に21位だったチャドが6.03で首位に立つ。全員が下がるレースでは、下げ幅の浅かった国が上へ来る。
注意点。 合計特殊出生率は「その年の断面」の年齢別出生率から計算した仮想値で、晩産化が進む時期には生涯出生数より低めに出ます。人口規模の小さい国では単年の振れが大きいため、水準そのものより長期の傾きを読むのに適した指標です。
データから読み取れる傾向
合計特殊出生率の上位は長期にわたりサハラ以南アフリカ (ニジェール、ソマリア、チャド、コンゴ民主、マリなど) が独占しており、2024 年の 1 位はチャドの 6.03 (女性 1 人が一生に産む子供の数の平均) で、ソマリア 6.01・コンゴ民主 5.98・中央アフリカ 5.95・ニジェール 5.93 が僅差で続く。これらの国では女子教育の遅れ、若年婚、避妊普及の低さ、乳幼児死亡率の高さ (多産戦略の合理化) が複合的に作用している。
長期トレンドとして、この 30 か国でも出生率は下がり続けている。30 か国の平均は 1979 年の 6.97 をピークに 2024 年の 4.61 まで下がった。なお本ランキングは最新年の値が高い順に上位 30 か国を選ぶ設計のため、収録されるのは 2024 年に 3.82 以上の国だけである。韓国・日本・中国のような超低出生率の国はこの表には現れない。世界全体の二極化を見たい場合は、この 30 か国が「高いほうの端」であることを踏まえて読む必要がある。
編集部でこの系列を確認していて最も印象的だったのは、上位(高出生率)側でも下げ幅がこれほど違うことだった。イエメンが 7.99 から 4.50 へ 3.49 下げる一方、中央アフリカ共和国は 5.95 から 5.95 とまったく動いていない。同じ「高出生率の国」でも歩みはばらばらである。
30か国の平均は1960年の6.63から1979年の6.97でピークを打ち、そこから下がり続けて2024年は4.61になった。1960年代はまだ上昇局面にあったことになる。乳幼児死亡率の改善が先に進み、出生率の低下が後から追いつくという人口転換の順序が、この立ち上がりの遅れに現れている。45年かけて2.36下がったが、それでも世界の人口置換水準2.1の2倍以上である。
下げ幅は国によってまるで違う。最大はイエメンの−3.49(7.99→4.50)で、コートジボワール−3.46(7.69→4.23)、マダガスカル−3.43(7.34→3.91)、コモロ−2.97が続く。いずれも半世紀で半分近くまで落ちた。一方で中央アフリカ共和国は5.95から5.95とまったく動かず、コンゴ民主共和国は−0.13、チャドは−0.22にとどまる。同じ「高出生率の国」でも、64年かけて動いた国と動かなかった国がはっきり分かれる。
その結果、順位が大きく入れ替わった。1960年に21位だったチャドは2024年に1位、25位だったコンゴ民主共和国は3位、28位だった中央アフリカ共和国は4位である。逆に1960年の1位イエメンは13位、2位コートジボワールは18位、4位マダガスカルは28位、12位コモロは30位まで落ちた。下げ幅が浅かった国が繰り上がるという、全員が同じ方向へ動く指標に特有の順位変動が起きている。
興味深いのは、上下の開きがほとんど変わっていないことだ。最上位と最下位の差は1960年の2.34から2024年の2.21で、64年でわずか0.13しか縮んでいない。水準は全体に2ポイント以上下がったのに、この30か国のなかでのばらつきは収束していない。なお合計特殊出生率はその年の年齢別出生率を合計した「断面」の指標で、実際に1人の女性が生涯に産む数とはずれる。晩産化が進む局面では実態より低く出やすい点も押さえておきたい。
雑学クイズ
「合計特殊出生率」とは何を表す指標?
1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数。その年の年齢別出生率を合計して算出する。(出典)
長期的に人口を維持できる合計特殊出生率の水準(人口置換水準)はおおよそいくつ?
約2.1(先進国で2.07前後)。これを下回ると、移民がなければ人口は長期的に減少していく。(出典)
経済発展や都市化に伴い「多産多死」から「少産少死」へ移行する人口学的な変化を何という?
人口転換(demographic transition)。多くの国がこの過程をたどり、出生率が低下してきた。(出典)
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出典: World Bank「Fertility rate, total (births per woman)」(SP.DYN.TFRT.IN), CC BY 4.0。