FAO(国連食糧農業機関)のデータを Our World in Data 経由で取得した国別米生産量データから、対象期間1961年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は百万トン(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。
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このランキングについて
本ランキングは、FAO のデータを Our World in Data 経由で取得した国別の米生産量(籾ベース・百万トン)を1961年から年次で収録したものです。最新年の上位30か国を対象としています。
データから読み取れる傾向
最新年の首位はインド(218百万トン)で、僅差の中国(208百万トン)、そしてバングラデシュ・インドネシア・ベトナムとアジアのモンスーン地帯が上位を独占する。米は高温多湿で水の豊富な地域に適した作物で、生産地図がほぼそのまま『アジアの稲作文化圏』の地図と重なる。1961年は中国とインドがほぼ並んでいたが、その後インドが作付面積の広さを背景に首位へ出た。
日本は1961年には世界3位(16百万トン)の米生産国だったが、現在は順位を大きく下げている。人口規模の差に加え、食生活の多様化による国内消費の減少と減反政策が背景にある。編集部としては、米のランキングは『主食を自給する国々』のリストとして読むのが面白いと考えている。上位国の多くは生産の大半を国内で消費し、世界の米貿易に出回るのは生産量の1割に満たない。穀物全体・小麦のランキングと並べると、作物ごとの地理の違いが鮮明になる。
インドが中国を抜いたのは、実はごく最近のことだ。1961年の出発点では中国53.64・インド53.49と0.15百万トンしか違わなかったが、その後は中国が62年にわたって首位を守り続けた。インドが中国を上回ったのは2023年と2024年の2年だけである。64年分の系列でようやく起きた首位交代であり、チャートの右端だけを見て「インドが米の国」と決めてしまうと、その手前の半世紀を読み落とすことになる。
上位30か国の合計は1961年の207.6百万トンから2024年の791.4百万トンへ3.8倍になった。世界人口が同じ期間におよそ2.6倍であることを考えると、米の生産は人口の伸びを上回って増えている。品種改良と灌漑の普及によって単位面積あたりの収量が上がった効果が大きく、作付面積の拡大だけでは説明できない伸び方だ。
この30か国のうち、1961年より2024年の生産量が少ない国は日本だけである。日本のピークは1967年の18.78百万トンで、2024年の10.14百万トンはその54%にあたる。順位も3位から12位へ下がった。半世紀にわたって生産量が半減した国が上位30に残っているという事実自体が、かつての日本の稲作の規模を物語っている。
伸び率で目を引くのはナイジェリアで、1961年の0.13百万トンから2024年の9.13百万トンへ70倍になり、順位を28位から14位へ上げた。タンザニアも29位から20位、パキスタンは16位から9位へ動いている。アジア以外の生産地が着実に育っているわけだ。一方で上位国にも頭打ちは見える。タイは2012年の39.47百万トンをピークに2024年は33.55、中国も2021年の212.84から207.53へ下げており、増え続けているのは表の全体傾向であって個々の国ではない。最後にひとつ注意点を挙げておきたい。この系列は籾(もみ)ベースの生産量である。精米にすると重量はおよそ3分の2に減るため、他の統計で見かける「精米ベース」の数字とは水準が合わない。国どうしを比べるぶんには問題ないが、消費量や輸出量と突き合わせるときは、どちらのベースの数字なのかを必ず確かめてほしい。
雑学クイズ
緑の革命で普及し「奇跡の米」と呼ばれた高収量品種は?
IR8。フィリピンの国際稲研究所(IRRI)が1966年に開発し、アジアの米生産を大きく押し上げた。(出典)
米の栽培方法で、水を張った田で育てる方式を何という?
水稲(すいとう)。畑で育てる陸稲(りくとう・おかぼ)に対する語で、世界の米の大半は水稲。(出典)
日本が1970年代から2018年まで続けた、米の生産調整政策の通称は?
減反政策。過剰生産による価格下落を防ぐため作付面積を抑制した。2018年に廃止された。(出典)
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- 世界の穀物生産量の推移 — 米を含む穀物全体。
- 世界の小麦生産量の推移 — 対照的に温帯が主役の主食。
- 米支出額が多い都市ランキング — 日本国内の消費側のデータ。
出典: FAO via Our World in Data「Rice production」, CC BY 4.0。