国別コーヒー生産量の推移(1961年〜2024年)

FAO(国連食糧農業機関)のデータを Our World in Data 経由で取得した国別コーヒー生豆生産量データから、対象期間1961年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は千トン(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別コーヒー生産量の推移(1961年〜)

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Source: Our World in Data — Coffee bean production (FAO data) · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-07

このランキングについて

この指標について。 「国別コーヒー生産量の推移」は Our World in Data(多くは World Bank・国連等の公的統計を再公開した二次データ) が公開するデータ(OWID Grapher slug “coffee-bean-production”)を本ランキングが整形したものです。値の単位は 千トン です。

このチャートの見どころ。 編集部のおすすめは1990年代のベトナムの駆け上がりだ。ロブスタ種の大量生産で一気に2位へ定着する過程は、この半世紀のコーヒー地図で最大の変化と言える。ブラジルの霜害(2021年)でバーが凹む場面も探してみてほしい。

注意点。 生産量は生豆換算の集計で、コーヒーの木は豊作と不作が交互に来る「隔年結果」の性質を持つため、ブラジルなど主要国の値は年ごとに大きく振れます。アラビカ/ロブスタの品種内訳は表れないため、品質や価格の動向とは別物として読んでください。

データから読み取れる傾向

コーヒー生産量の首位はブラジルが圧倒的で、世界全体の約 3 分の 1 を占める。2 位以下はベトナム (約 17%)・コロンビア・インドネシア・エチオピアと続き、上位 5 か国で世界生産の約 7 割。ベトナムの台頭は 1990 年代以降で、政府の輸出振興政策とロブスタ種の大量生産により急上昇した。本ランキングの年次推移ではベトナムが 1990 年代後半に主要国に追いつく過程が明確に見える。

長期トレンドとして、世界のコーヒー生産は緩やかな増加基調にあるが、気候変動の影響を強く受ける作物として「2050 年問題」(主要産地の栽培適地が半減するという IPCC 関連予測) が業界で議論されている。実際、ブラジルでは霜害 (2021) で生産量が一時急減し、世界価格が急騰する局面があった。エチオピアはアラビカ種の原産国として品質では世界トップ評価を維持しているが、生産量では上位 5 位の枠を維持するに留まる。コーヒー価格はサプライチェーン全体に影響する商品作物として、地政学的にも重要な指標だ。

ベトナムの伸びは、この表のどの国とも比較にならない。1961年の4.1千トンから2024年の2,015.29千トンへ491.53倍、順位は26位から2位である。1982年でもまだ5.3千トンで、当時の最下位グループにいた。そこから40年余りでブラジルに次ぐ生産国になった。ラオスも29位から13位、中国は28位から15位、中央アフリカ共和国は23位から9位、ホンジュラスは21位から10位へ上がっている。

ブラジルの線は上下が激しい。1961年の2,228.70千トンから1982年には957.93千トンまで落ち、2003年1,987.07、2024年は3,387.72千トンで過去最高である。コーヒーの木は豊作と不作が交互に来る「隔年結果」の性質を持つため、主要国の値は年ごとに大きく振れる。63年間で1.52倍という数字だけを見ると穏やかに見えるが、途中に半分以下まで落ちる局面があったことは押さえておきたい。

一方で、生産量そのものが減った国もある。コートジボワールは1961年の185.5千トンから2024年の72.13千トンへ0.39倍になり、3位から17位へ。エルサルバドルは122.5から28.49へ0.23倍で5位から26位、カメルーンは0.67倍で13位から25位、ドミニカ共和国は0.69倍で16位から28位である。1960年代の主要産地が、いまは表の下のほうに沈んでいる。

30か国の合計で見ると、1976年の103.34千トン(平均)が最も低く、2024年の378.07千トン(平均)が最高である。世界のコーヒー生産は増え続けているが、その内訳は大きく組み替わった。2024年の上位5か国(ブラジル・ベトナム・コロンビア・インドネシア・エチオピア)で30か国合計のおよそ7割を占める。生産の集中は、産地の天候不順がそのまま世界価格に跳ね返る構造をつくっている。

雑学クイズ

コーヒーノキ(アラビカ種)の原産地とされる国はどこ?

エチオピア。南西部の高地が原産地とされ、9世紀頃のヤギ飼い「カルディ」が、実を食べたヤギの異変からコーヒーを発見したという伝説でも知られる(ただし文献初出は1671年)。(出典

「コーヒー」という言葉の語源とされる、もともとワインを指したともいわれるアラビア語は?

カフワ(qahwa)。オスマン・トルコ語の「kahve」、オランダ語の「koffie」を経て、1582年頃に英語の coffee になったとされる。(出典

コーヒーの栽培が集中する、赤道を挟んだ帯状の地域を何と呼ぶ?

コーヒーベルト(ビーンベルト)。北回帰線と南回帰線の間の熱帯・亜熱帯にあたり、安定した気温と降水に恵まれたこの帯に世界の主要なコーヒー産地が集中している。(出典

インスタントコーヒーや安価なブレンドに多く使われ、ベトナムが主産地となっているコーヒーの品種は?

ロブスタ種(カネフォラ種)。アラビカ種より高温・低標高や病害に強い一方で苦味が強く、ベトナムの生産の約95%を占めるとされる。(出典

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出典: FAO via Our World in Data「Coffee bean production」, CC BY 4.0。