国別牛乳生産量の推移(1961年〜2024年)

FAO(国連食糧農業機関)のデータを Our World in Data 経由で取得した国別牛乳生産量データから、対象期間1961年〜2024年・上位30か国分の年次推移を収録しています。値の単位は百万トン(小数点以下2桁)。集計値(地域別・所得階層別)は除外しています。

国別牛乳生産量の推移(1961年〜)

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Source: Our World in Data — Milk production (FAO data) · CC BY 4.0 · accessed 2026-05-07

このランキングについて

本ランキングは、FAO のデータを Our World in Data 経由で取得した国別の牛乳生産量(百万トン)を1961年から年次で収録したものです。最新年の上位30か国を対象としています。

データから読み取れる傾向

最新年の首位はインド(248百万トン)で、2位米国(103百万トン)の2倍以上という圧倒的な規模だ。パキスタン・中国・ブラジルが続く。1961年の首位は米国で、当時のインドは20百万トン程度に過ぎなかった。インドの急伸は1970年代に始まった『白い革命』(オペレーション・フラッド)によるもので、協同組合を通じて小規模酪農を組織化し、世界最大の牛乳生産国へと押し上げた。

ただしインドの牛乳には水牛乳が多く含まれる点が他国と異なる。米国・欧州が大規模な工業的酪農で生産するのに対し、インドは無数の小規模農家の積み上げで世界一に達した。生産の中身がまったく違うのに同じ『牛乳生産量』として並ぶのは、統計を読むうえで面白い論点だ。編集部としては、このランキングは食文化(牛乳・乳製品をどれだけ食べるか)と農業構造(大規模か小規模か)の両方を映す鏡だと考えている。

インドが米国を抜いた年は1997年である。1961年に20.38百万トンだったインドは、米国の57.02百万トンの3分の1程度にすぎなかった。それが36年かけて追いつき、そこから差を広げて2024年には247.84百万トンと、米国102.48百万トンの2.4倍に達している。63年間の伸びは12.16倍で、この30か国のなかで突出している。追い抜いた年より、追い抜いたあとも加速し続けたことのほうが、この折れ線の異例さを表している。

倍率で見るとインドを上回る国もある。中国は1961年の1.83百万トンから2024年の45.44百万トンへ24.83倍になり、順位を21位から4位へ上げた。パキスタンは6.00から66.67へ11.11倍で12位から3位、バングラデシュは25位から13位、ブラジルは14位から5位である。上位に食い込んだ国はいずれもアジアと南米で、乳製品の生産地図はこの60年で大きく描き替えられた。

対照的なのが欧州とオセアニアだ。デンマークは1961年の5.52百万トンから2024年の5.69百万トンへ、63年かけてわずか3%しか増えていない。それでも生産が減ったわけではないのに、順位は13位から29位へ16も下げた。カナダも1.20倍で8位から19位、オーストラリアは1.38倍で11位から21位、イタリアは7位から16位、ポーランドは5位から11位、イギリスは6位から12位。伸びなかった国が押し出されるという、成長する市場に特有の順位変動が起きている。

30か国の合計は1961年の230百万トンから2024年の835百万トンへ3.6倍になった。ただし2024年に値があるのは29か国で、アイルランドだけ値がない。最新年の順位を見るときは、その年に全部の国がそろっているとはかぎらない点に注意したい。報告の遅い国が抜けていると、順位表は実際より1つずつ繰り上がって見えることになる。もうひとつ、この系列は生乳(生産された乳)の量であって、消費された量ではない。生産の大きい国が乳製品をよく食べる国とはかぎらず、加工されて輸出に回る分もあれば、輸送網が整わず地域内で消費される分もある。1人あたりに直せば順位はまったく別のものになる。国の規模を除いて食習慣を比べたいときは、生産量ではなく供給量や消費量の統計に当たる必要がある。

雑学クイズ

インドを世界最大の牛乳生産国に押し上げた、1970年代からの酪農振興運動は?

白い革命(オペレーション・フラッド)。協同組合を通じて小規模酪農を組織化した。立役者はヴェルギース・クリエン。(出典

牛乳を加熱して有害な微生物を減らす、19世紀の科学者にちなむ処理法は?

低温殺菌(パスチャライゼーション)。ルイ・パスツールにちなむ。現在の市販牛乳の多くに使われる。(出典

牛乳に含まれる糖分をうまく分解できず、お腹を壊しやすい体質を何という?

乳糖不耐症。アジア・アフリカに多く、牛乳をそのまま飲む習慣の地域差にも関係する。(出典

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出典: FAO via Our World in Data「Milk production」, CC BY 4.0。